1. ネパール現地事業(海外協力事業)〜 4万本の植樹をめざします!〜

1-1. 生活林プロジェクト

事業地位置図
ジーン村から見たダウラギリ(標高8167m)。この山麓地域であらたにプロジェクトを開始します。

2010年度も、住民と環境との調和をめざして、生活林づくりプロジェクトを推進し、自然環境を保全するとともに、地域の活性化をはかります。

かつては、住民は森林の中で自然と調和して暮らしていましたが、人口が増えたために住民の領域が拡大し、同時に森林の伐採がすすんで伐採地が増え、森林は後退してしまいました。そこで、伐採地を生活林に変えることにより森林の後退をくいとめ、また、住民の生活を改善し、人間と環境との調和をとりもどします。

植林

従来のアンナプルナ地域に位置するナルチャン村・サリジャ村においては、苗畑を運営し、植樹活動を継続します。一方、アンナプルナ地域の西側に位置するダウラギリ地域のドバ村・ベガ村においてはあらたな植樹活動を開始します。昨年度に建設した苗畑はさらに拡充し、苗木育成本数を増やします。2010年度は、のべ4万本の苗木育成・植樹を目標にしています。

生活林のモデル

図1 生活林づくりのモデル

事業地位置図
図2 事業地の位置図

各村においては、苗畑管理人を雇用、植林地のフェンシングをおこないます(家畜などの動物に苗木が食べられないようにするため)。また、事業推進・現地指導のために専門家の派遣もおこないます。樹種としましては、従来通り、マツ・ハンノキ・飼料木にくわえ、換金につながる果樹にもとりくみます。

生活改善

現地の村々にはプロパンガスなどは普及しておらず、村人は今でも薪を燃料として調理をおこなっています。薪の使用量は大変多く、森林後退の原因になっています。そこで、改良金属かまどの普及を今年度からはじめます。これにより、薪の使用量を各家で30〜40%減らすことができます。

紙漉・織物事業

紙漉・織物事業につきましては、技術者の技能向上トレーニングをおこない、収入向上事業をさらに発展させていきます。

調査と計画立案

中期計画(3ヵ年計画)に基づいて、あらたな生活林プロジェクトを開始するために、ミャグディ川流域・ラウガート川流域の調査をおこない、あらたな事業計画を立案します。

植樹計画表(案):2014年度に100万本達成をめざしています。ご協力をおねがいします。

1-2. エコ・プロジェクト -ゴミ処理・観光ルート美化-

ナルチャン
エコ・プロジェクト地の一つスワタ村

本計画は、〔1〕クリーン・ビレッジ化(ゴミ処理・観光地美化)、〔2〕住民のトレーニング(環境教育)、〔3〕エコツーリズム開発(環境調和型の観光開発)、という3本柱を基軸にしてすすめられ、これらにより、環境保全(公害防止)とともに、住民の衛生管理・生活改善・自立、地域の活性化を目指していきます。

本年度は、スワタ・パウダル・ドバ・ベガの各村において環境保全・観光ルート美化を一層すすめ、環境教育を徹底し、住民の意識をさらに向上させます。ゴミ箱作成・設置、ゴミ集積場の建設や、住民のためのワークショップを実施します。このような事業が成功すれば、これがモデルとなってネパール各地に効果が波及していきます。「世界最貧国」の一つであるネパールの人々の生活を改善するために、また「観光立国」ネパールにとってこれは非常に重要な意味をもつ事業です。

1-3. その他の事業

教育支援プログラム:ネパールのめぐまれない子供たち20人に奨学金を支給します。保健衛生プログラム:高校生を対象に、HIV/AIDS教育を実施します。

2.国内事業

2-1.国際交流・理解促進事業(山岳エコロジースクール)

学び合いの精神に基づき、日本人がネパールの事業地に行ってヒマラヤ保全協会の事業を見学、植林などをおこないながら環境保全活動に参加し、現地の人々と交流して相互理解をふかめます。本年度は、8月および2月に、ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクールを開催します。

2-2.広報・地球市民学習事業

(1)広報活動の充実

 ・ホームページやブログなどをたえず更新し、事業の進捗状況を随時報告します。

 ・会報「シャングリラ」とメールマガジンの内容を充実させます。

 ・様々な学習活動に講師を派遣します。

(2)セミナーやイベントの展開

会員相互の親睦をはかり、ネパール・ヒマラヤ、環境保全、異文化、国際協力などについて理解をふかめるために地球市民講座、ネパールサロン、参画型アプローチ「KJ法」講座などを開催します。また、グローバルフェスタにも出展します。

ヒマラヤ保全協会のイベントの案内を見る >

2-3.研究・提言・ネットワーク事業

ヒマラヤ植樹

(1)研究・提言

流動的なネパール情勢についてたえず情報収集・研究をし、適切な判断のもとで事業を円滑にすすめます。ヒマラヤ保全協会ネパールとの連携を一層強化し、信頼関係を発展させるとともに、日本人専門家を事業地に派遣、適切な提言をおこないます。

(2)ネットワーク

ネパールNGOネットワークに団体会員・事務局として参画し、また、国際協力NGOセンター(JANIC)に団体会員として参画、NGOネットワークを強化します。

ネパールNGOネットワークを見る >

(3)ヒマラヤ保全協会の組織評価をおこない、組織の活性化に役立てます。