1. ネパール現地事業

1-1. 生活林プロジェクト

事業地位置図
<プロジェクト地 位置図>
ダウラギリ地域であらたにプロジェクトを開始します
(1) ダウラギリ地域への展開 -苗畑運営と植樹を拡充します-

 従来のアンナプルナ地域に位置するナルチャン地区・サリジャ地区においては、苗畑の拡充を終了し苗畑を完成させ、また、継続的な植樹活動のために苗畑を維持、その運営を管理していきます。
 一方、アンナプルナ地域の西側に位置するダウラギリ地域において、あらたに事業を開始します。具体的には、ドバ-ベガ地区においてあたらしい苗畑を建設し植樹を開始します。
 これらの事業により苗木生産本数(植樹本数)を増やします。

★★★ 村人の声(ベガ村) ★★★

 私たちの村では、地滑りや崖崩れが多発して集落に危険がせまっています。このあたりではもっとも危険が多い地域であり、これから、コミュニティ防災が重要です。土壌の流出は村の土地を崩壊させるだけでなく下流域にも悪影響をもたらし、時には大災害の原因になります。今後植林をすすめて土壌流出をくいとめていかなければなりません。
 カリガンダキ川沿いに自動車道路が開通して村の暮らしは良くなるとおもいます。村で採れた農産物が売りやすくなるし、町から物が買いやすくなります。村の暮らしや生活は変わったほうがよいです。そうすれば村が発展します。

ベガ地区
<新プロジェクト地、ベガ村>
新プロジェクトを開始するベガ村の全景です。

 道路や森がよくなれば、ふるい耕作地の改良もでき、農業の近代化ができます。お金をどのように手に入れるかといれば、今は、出稼ぎ以外にほかに方法はありませんが、農業の生産性を高め、農作物が市場で売れれば現金収入が得られます。IHC(ヒマラヤ保全協会)のツアーも是非きて、お金をおとしてほしいです。
 最近のあたらしい話題と言えば、インターネットが通じたことです。IHCネパールのマハバール先生のおかげです。内戦がおわり、とにかく、私たちの村は大きな転機にさしかかっています。多くの人たちと協力してプロジェクトをすすめていきたいです。

ベガ村の人々解説 ヒマラヤ保全協会は、2009年度より、ダウラギリ地域のベガ村で、あらたにプロジェクトを開始します。このあたりはかつて、反政府組織が支配していたエリアであり、10年間におよぶネパール内戦のために村の荒廃がすすんでいます。現在、森林再生、生活基盤整備とともに、村の復興が大きな課題になっています。村人から上記の話を聞いてきました。
(2) 生活林プロジェクト<ナルチャン・サリジャ地区> -第3フェーズを終了します-
紙漉
<紙漉の様子、サリジャ村>
森林資源を利用した紙漉事業をすすめます

<<第3フェーズのポイント>>
(a) 植林活動を軌道にのせます(目標2万5千本)。
(b) 森林資源を有効に活用しながら住民の生活を改善し、環境調和型の生活基盤をつくります。
(c) ヒマラヤ本来の自然林を保全します。
 ナルチャン地域・サリジャ地域において、これまでに建設した苗畑の苗木生産能力を一定水準まで向上させ、住民の主体的参加による、苗畑の自立運営、持続的・継続的な植林・森林管理を実現します。昨年度に建設を開始した、集落と森林地域とをむすぶ通路(trail)を延長・完成させ、堆肥・薪、その他の森林資源等の運搬にかかわる住民の労働を軽減し、住民の生活を改善します。織物施設(イラクサ加工施設)および紙漉施設(ロクタ紙加工施設)を完成させて、織物事業および紙漉事業を開始し、またその経営を軌道にのせ、住民の収入向上をはかります。本事業は、2005年度に策定した「生活林づくりプロジェクト」の計画(第1~第3フェーズ)の最終フェーズであり、今回をもってすべての施設を完成させます。

1-2. エコ・プロジェクト -ゴミ処理・観光ルート美化-

ナルチャン
<エコ・プロジェクト地、ナルチャン上村>

 本計画は、〔1〕クリーン・ビレッジ化(ゴミ処理・観光地美化)、〔2〕住民のトレーニング(環境教育)、〔3〕エコツーリズム開発(環境調和型の観光開発)、という3本柱を基軸にしてすすめられ、これらにより、環境保全(公害防止)とともに、住民の衛生管理・生活改善・自立、地域の活性化を目指していきます。
 本年度は、キバン-ナルチャン地区の環境保全・観光ルート美化を一層すすめ、環境教育を徹底し、住民の意識をさらに向上させます。ゴミ箱作成・設置、ゴミ集積場の建設や、住民のためのワークショップを実施します。このような事業が成功すれば、これがモデルとなってネパール各地に効果が波及していきます。「世界最貧国」の一つであるネパールの人々の生活を改善するために、また「観光立国」ネパールにとってこれは非常に重要な意味をもつ事業です。

1-3. その他の事業

 教育支援プログラム:ネパールのめぐまれない子供たち53人に奨学金を支給します。
 保健衛生プログラム:15~30歳の人々を対象に、HIV/AIDS教育を実施します。

2.国内事業

2-1.国際交流・理解促進事業

 学び合いの精神に基づき、日本人がネパールの事業地に行き、ヒマラヤ保全協会の事業を見学し、植林などをおこないながら環境保全活動に参加、現地の人々と交流し相互理解をふかめます。ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクールを、2009年夏および年末年始に開催予定です。

2-2.広報・地球市民学習事業

(1)広報活動の充実
 ・ホームページとブログをたえず更新し、内容を充実さます。
 ・会報「シャングリラ」とメールマガジンの内容を充実させます。
 ・ヒマラヤ保全協会のパンフレットを作りなおします。
 ・様々な学習活動に講師を派遣します。
(2)イベントの展開
 会員相互の親睦をはかり、さらに、ネパール・ヒマラヤ、環境保全、異文化、国際協力などについて理解をふかめるために以下のイベントを実施します。
 ・ネパールサロン
 ・ネパール家庭料理教室
 ・エコ・ハイキング
 ・グローバルフェスタ出展
 ・参画型アプローチ講座
 ・地球市民講座

ヒマラヤ保全協会のイベントのご案内はこちらです

2-3.ネパール現地事業の支援

 ヒマラヤ保全協会ネパールとの連携を一層強化し、信頼関係を発展させるとともに、日本人専門家を事業地に派遣し、現地事業を成功させます。ヒマラヤ保全協会ネパール(IHCN)の組織評価をおこないます。

2-4.研究や提言、ネットワーク

 流動的なネパール情勢について、たえず情報収集・研究をし、適切な判断のもとで事業を円滑にすすめます。国際協力NGOセンター(JANIC)およびネパールNGOネットワーク(4N)に団体会員として参画し、ネットワークの強化に協力します。ネパールNGOネットワークの事務局を担当します。

ネパールNGOネットワーク
> 関連ブログ:ネパールNGOネットワーク(4N)のウェブサイトの再構築を開始する

2-5.財政再建

 次に取り組み、財政を再建します。(1)会員を増やす。(2)CRM(Cause Related Marketing)も活用しながら新規支援企業を増やす。CRMとは、「企業は、コーズ(良いことなので援助したくなるような対象)を支援し、支援活動自体が、マーケティング戦略となる」ことです。