2012年度も、ご支援ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。ご納入いただきました寄付金などにより、約5万5千本の植樹をすることができました。深くお礼もうしあげます。

1. ネパール現地事業

事業地の位置図

1-1. 「生活林」づくり

苗畑

苗畑管理人によって元気な苗が育苗される

2012年度は、53,833本の苗木を育成し、植樹しました。「生活林」とは日本でいう里山に相当する林のことです。植林地域は、ダウラギリ地域(ドバ村・ベガコーラ村・ダグナム村・ジーン村・バランジャ村)、アンナプルナ地域(サリジャ村)、ソルクーンブ地域(ジュビン地区カリコーラ村)でした(上図:プロジェクト地域の位置図参照)。

かごに入れる

植林は住民総出でおこなう

ネパール西部ダウラギリ地域において、現地カウンターパートであるヒマラヤ保全協会ネパールや地元の優秀な苗畑管理人の経験知を最大限に活用して、各事業村の苗畑管理人が一同に会し意見交換する場ももち、円滑な苗畑運営をおこないました。「自分たちの森は自分たちで守っていく」ということを村全体、また、ひとりひとりに意識させるために、住民みずからが植林活動をおこないます。

具体的な活動は以下の通りでした。
  1. 苗畑管理人を養成するためのトレーニングを実施しました。
  2. 植林計画をつくり、樹種を選定、種子を購入しました。
  3. 苗畑管理人が中心になって約5万5千本の苗木を育成しました。
  4. 適切な植林地を調査・選定しました。
  5. 動物の食害から苗木をまもるフェンスをつくりました。
  6. 植林地に苗木を植樹しました。
  7. 花山椒の栽培園を設置しました(バランジャ村)。

 

森林保全事業のあゆみはこちらです

1-2. ダウラギリ・プロジェクト

トレール
トレールをつかって薪を運ぶ女性

山村住民の生活を改善させる「生活改善プロジェクト」として、ダグナム村とジーン村にトレイルの建設をしました。これにより、土砂崩れなどの危険のあった道を歩いていた山村住民の安全と、薪の運搬等で労力をしいられていた女性やこどもたちの生活が、改善されました。他にドバ村には生活改善のためのトレーニングなどを受けられるコミュニティセンターが作られました。また、植林によって得られる森林資源を有効利用する織物事業、紙漉き事業など、山村復興プロジェクトの設備などの基盤づくりに力を入れました。

1-3. ソルクーンブ・プロジェクト

フェンス
植林地に苗を植えます

ネパール東部、ソルクーンブ郡カリコーラ村において苗畑を整備し、約2万5千本の苗木を育成しました。これらの苗木の植樹には、地元住民191人が参加しました。

2. 国内事業

2-1. 国際交流・理解促進事業

第21回ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクールを2013年2月に開催する予定でしたが、参加申込がなく、中止しました。

2-2. 広報・地球市民学習事業

グローバルフェスタ
ブース出展のようす

10月にはグローバルフェスタに出展し、広く市民に当会の活動をPRしました。地球市民講座「ヒマラヤワークショップ」を3回開催し、また、「発想法」の講習会も開催しました。

 

> ヒマラヤ保全協会のこれまでのイベントを見る

2-3. ネットワーク・研究・提言事業

(1)ネットワーク
ネパールNGOネットワーク(4N)に団体会員・事務局として参画し、特に、そのホームページを充実させ、ネパールでのNGOネットワークを強化しました。また、国際協力NGOセンターとシーズ(市民活動を支える制度をつくる会)に会員として参画しました。

(2)研究・提言
流動的なネパール情勢について情報収集・研究をし、ホームページやブログにその結果を公表するとともに、適切な情勢判断のもとで各プロジェクトを円滑にすすめました。

ヒマラヤ保全協会 2011年度 事業報告を見る