1. ネパール現地事業

1-1. 生活林づくりプロジェクト

苗木の世話
苗畑で、ポット苗をそだてる(ナルチャン村、第16回山岳エコロジースクール)

 2008年度は、合計21,111本の苗木生産、植樹をおこないました(2009年6月集計)。樹種は、ナルチャン村では、マツ(マツ科)、ハンノキ(カバノキ科)、パンユー(バラ科)、マラータ(薪用)、ポンカン(オレンジ)、シッソ(インデアンローズウッド)、トゥーニ(センダン科)、一方のサリジャ村では、マツ(マツ科)、ハンノキ(カバノキ科)、カンニュー(クワ科)、ティムール(ミカン科)などでした。
 苗畑の運営はとても良好な状態にあります。植林は、2008年の雨季に共有地を中心に植栽され、植栽後の生育も良好であり、目だった枯死等は見られませんでした。

ゴミ処理
事業地の位置図

また、サリジャ村においては「イラクサ織り」(織物事業)と「手漉き紙」(製紙事業)の支援もおこないました。それらの生産については質・量ともに向上してきています。その一方、輸送・販売については今後とも努力が必要です。ヒマラヤ保全協会では日本で途上国のクラフト製品をあつかっている関係先と協働して、販売ルートの開発に取り組んでいます。

森林保全事業のあゆみはこちらです

1-2. エコ・プロジェクト(ゴミ処理・観光ルート美化)

 ネパールでは、ライフスタイルの変化、ツーリストの流入などにより、様々なゴミが多量に廃棄されるようになってきました。そこで、当協会では、村にゴミ箱を設置し、ゴミ集積場を建設するプロジェクトを2008度もおこないました。
 昨年度は、「エコツーリズム」をキーワードに、ナルチャン-タトパニ地域において実施しました。住民を対象にしたワークショップも開催し、環境教育もすすめました。

1-3.その他の事業

 教育支援(奨学金支給):ネパール山村僻地の子供たちを育てるために、めぐまれない環境にありながらもよく勉強する小中高生53人に奨学金を支給しました。
 保健衛生教育:15~30歳の人々を対象に、HIV/AIDS教育をおこないました。

2. 国内事業

2-1.国際交流・理解促進事業

(1)スタディツアーを実施
 第21回(サリジャ村)を実施し、ヒマラヤ保全協会の事業地を訪問、現地事業についてまなびました。
(2)第15・16回山岳エコロジースクールを開催
 景勝地プンヒルをへてナルチャン村に行きホームステイ、山岳のエコロジーについてまなび、植林活動をおこないました。

2-2.広報・地球市民学習事業

ネパール家庭料理教室
ネパール家庭料理教室、毎回盛況です。

(1)広報活動
 ・会報「シャングリラ」を4回発行しました。
 ・ウェブサイトとブログをたえず更新し、内容を充実させました。
 ・メールマガジンの発行を開始しました。
 ・mixiコミュニティを充実させました。
 ・明治大学などに講師を派遣しました。
(2)ネパールサロンを開催
 第24回:マハビール=プン会長とネパールの未来について語ろう!
 第25回:ヒマラヤ写真教室「ランタンの山村、タマン族の暮らしと子供たち」
 第26回:IHC エコ・プロジェクト 現地活動報告
 第27回:ネパールのお菓子をつくりましょう!
 第28回:木から、織物と紙ができるまで -ネパール山村で収入向上事業がはじまる-
(3)ネパール家庭料理教室を開催
 第6回:ジャガイモ炒め&スープカレー
 第7回:スタミナ肉野菜炒め&冷製アツァール(スッキリサラダ)
 第8回:チキン・カレー
(4)参画型アプローチ中級講座を開催
 フィールドワーク、データベース作成、構想計画について実習しました。
(5)地球市民講座を開催
 「ヒマラヤン・ヒーリング ~ヒマラヤの自然と調和した癒しの世界~」
(6)グローバルフェスタ2008に出展
 ヒマラヤ保全協会の活動紹介、山岳エコロジースクールの紹介、他

ヒマラヤ保全協会のこれまでのイベントの紹介はこちらです

2-3.ネットワーク、研究・提言事業

(1)国際協力NGOセンター(JANIC)に会員として参画しました。
(2)ネパールNGOネットワーク(4N)に会員として参画しました。
(3)流動的なネパール情勢について分析・研究し、発表しました。

2-4.3ヵ年計画《2009-2011》を策定しました

 2005年度から実施した3ヵ年計画(2005-2007)の成果を踏まえ、理事・公募会員からなる中期計画検討委員会を設置し、あらたな「3ヵ年計画(2009-2011)」(案)を検討・策定しました。

3ヵ年計画書《2009-2011》(案)[PDF]

ヒマラヤ保全協会 2007年度 事業報告を見る