~ “One Piece One Tree”プロジェクト始動 ~
本年もヒマラヤ保全協会総会を開催しました。本年は、特別講演会(会員総会プレイベント)としまして、会員の寺川幸士さんに、ネパールの森林保全の歴史についてご自身の体験を通して語っていただきました。また、会員の上原伸郎さんには、事業地ですすんでいる紙漉きの全プロセスを写真と動画で紹介していただきました。会員総会では、植林・森林保全事業や、森林資源を活用した織物事業・紙漉事業など、現地事業の成果につきましてくわしく報告し、また、“One Piece One Tree”プロジェクトを会場で実際に開始しました。
【日 時】2009年6月28日(日)
13:00 開場
13:30~14:45 講演会(会員総会プレイベント)
(1)「ネパールの森林保全 -25年間をふりかえって-」(講師:寺川幸士)
(2)「ネパール手漉き紙の里、サリジャ村を訪ねて」(講師:上原伸郎)
14:45~15:00 休憩
15:00~17:00 会員総会
17:30~19:00 懇親会
【会 場】モンベルクラブ渋谷店(5F)「サロン」 > 渋谷駅・ハチ公口から徒歩8分
【会場提供】株式会社モンベル
プログラム
1.講演会(会員総会プレイベント:13:30~14:45)
(1)「ネパールの森林保全 -25年間をふりかえって-」(講師:IHC会員・寺川幸士)
(2)「ネパール手漉き紙の里、サリジャ村を訪ねて」(講師:IHC会員・上原伸郎)
講師紹介
寺川幸士(IHC会員・森林保全アドバイザー):大阪生まれの52歳。大学の林学科を卒業後、家具メーカーを経て1983年から青年海外協力隊員としてネパールで植林プロジェクトに参画した。協力隊終了後は、機械メーカーに勤務しながら、もっぱらNGOに対する技術支援を通じて、中東、アフリカ等での植林活動に関わった。2001年以降は、JICA専門家として、ガーナ、ネパールでの森林プロジェクトの運営に携わっている。ネパールには通算で7年、ガーナには通算3年滞在している。趣味は登山と日曜大工、海外ミステリー小説。2000年からIHC会員。
上原伸郎(IHC会員・アミナコレクション商品本部長):1965年2月22日生まれ、44歳。1983~1988年、学生時代に、アジア、アフリカ、中南米を旅する。ネパールでは、ポカラ近郊のダンプス村に長く滞在し、お世話になったある家族の長男として村民から扱われるようになる。1989年春、24歳の時に、ダンプス村で結婚式(嫁さんは日本人)を挙げる。1989年秋、まだ、チャイハネが4店舗だった頃に、(株)アミナコレクションに入社。バイヤーとして、アジア、中南米の国々を訪れる。1999年より、ヒマラヤ保全協会の団体会員となる。2008年、社内に生産環境研究会を立ち上げる。社員~チャイハネのお客様へ、生産地のリアリティーを伝えると共に、生産地の環境保全を意識した活動を始める。現在、民芸商品本部 本部長として、商品の企画~仕入れを統括する。
2.会員総会(15:00~17:00)
■”One Piece One Tree”プロジェクトとは、チャイハネにて、”One Piece One Tree”タグがついた商品を1つお買い上げいただくごとに、ヒマラヤ保全協会を通して、ヒマラヤに1本の苗木を植えることができるというプロジェクトです。上のバナーをクリックして通販サイトへ!
開会挨拶
■第1号議案:2008年度事業に関する事項(事業報告)
(1)ネパール現地事業
(2)国内事業
■第2号議案:2008年度決算に関する事項(決算報告)
■第3号議案:2009年度事業計画
(1)ネパール現地事業
(2)国内事業
■第4号議案:2009年度予算
■第5号議案:役員の選任
閉会
> 2008年度事業報告はこちらです
> 2009年度事業計画はこちらです
「生活林」プロジェクトを推進します!
2009年度 ヒマラヤ保全協会 会員総会が開催され、今年度も、「生活林」プロジェクトを中核にして活動を推進していくことが決議されました。
ヒマラヤ山中には数多くの村々が点在しています。私たちの事業地はそれらの村々であり、それは、住民の居住地(集落)を中心にして、その周囲に自然環境(自然林)がひろがっているという構造をもっています。昔は、住民は自然環境をたくみに利用し、自然環境は住民に恩恵をあたえるという、住民と自然環境との共生関係がなりたっていました。
しかし、人口増加や開発の影響で、森林の伐採がすすむと自然環境は荒廃し、この共生関係はくずれてしまいました。住民は、燃料である薪をとりにいくのに、往復5時間もかかるというのが普通になってきています。
そこで、住民の居住地の近くに「生活林」という、住民の生活を改善することに役立つ森林をつくるプロジェクトがはじまったわけです。「生活林」は、住民と自然環境との間の地帯につくられ、住民の生活改善に役立つ樹種を積極的に植えていきます。これにより、薪などの森林資源が容易に手に入るようになるとともに、従来の自然林の後退はなくなり、自然環境がまもられます。
こうして、「生活林」は、住民と自然環境との緩衝地帯として機能し、これを介して住民と自然環境は敵対するのではなく、共生関係が再生されるという仕組みができあがります。これを単純にモデル化すると「住民-生活林-自然環境系」(上左図)となり、私たちは、事業地を「住民-生活林-自然環境系」にするというビジョンをもって本年度も活動をすすめていくということになります。
単純で、かつビジョンがあるプロジェクトは確実にすすむ -「生活林」モデル-
ヒマラヤ保全協会の総会では、講演や議論を通して実に様々な情報が得られました。これらをつらぬくキーワードは「生活林」でした。そこで、様々な情報を統合して左図のようなモデルをかんがえました。これは、情報の統合的アウトプット(統合出力)をしたということです。
「生活林」プロジェクトを上図のように単純化してみると、これはシンプルな画像ファイルであり、事業地のモデルでもあります。こうしてイメージにしておけば、誰でも「生活林」プロジェクトについて容易に思い出すことができるようになります。
そして、もし実際にネパールの事業地に行くことができれば、今度は、体験の中でこのイメージがただしいことを、チェック・点検することができます。
単純で、かつビジョンがあるプロジェクトは確実にすすんでいきます。
アンケート結果
ヒマラヤ保全協会2009年度総会では、参加者の皆さんから多数のご感想ご意見ご要望をいただきました。以下にそれらを列挙します。今後、IHCプロジェクトをさらに改善するために役立てていきます。
1. 講演会
- 自分ががんばった。
- まとまったテーマで話していただき、たいへん勉強になり、又、楽しめました。映像は特に効果的で、今後の参考になりました。
- 良かったです。ネパールの林業に関する歴史がきけて面白かったです。高校生も堂々としていて、おどろきました。
- 寺川さんの講演とても勉強になりました!! 上原さんの講演はロクタの紙の作られる流れがよくわかってとても楽しかったです。ああいう現地レポートは現地の雰囲気がわかってよいですね!
- 2月末のスタディツアーに参加したばかりなので、とても興味深く聞くことができました。ネパールのひとりひとりが平等に豊かになればいいなぁと思いました。また、逆に先進国が学ぶことが多くあるように思いました。紙すきプロジェクトも実用化されることを願います。
- けっこう良い雰囲気でできてよかった。内容もわかりやすくて、楽しかったです。
- 寺川さん、長い時間努力されてきた専門家の言葉はひとつひとつ重みがありますね。勉強になりました。上原さん、あ、私なんです。動画上映、楽しんでもらえてうれしいです。
- 上原さんのDVDがとても良かった。現地の様子が良くわかった。
- ネパールの事がまだまだわからない状態なので、非常に勉強になりました。活動男報告を今回の紙作りのように映像で流すと、活動の様子がわかり良かった。
- 活動内容がよくわかり良かった。現地の人の声を直接聞いたり、現地の人がどう思っているか?
- とても良かったです。(2つとも)(時間、内容、報告者…)
- 寺川さん、IHCの植林事業の重要性、成果がネパールの歴史の中でよく理解できた。 上原さん、DVDがリアルでよくわかった。
- 2人の方の話、とてもよかった。
2. 会員総会
■ 事業報告(植林プロジェクト、生活林プロジェクト、エコプロジェクト、ツアー、国内イベント)
- みなさん、がんばってた。
- 少しピリピリした雰囲気になって、よく思わなかった。
- 寺川さん解説の“生活林”から、IHCの“生活林”うまくつながってよかったですね。理解が深まったと思います。
- パワーポイントによる説明は、初めてみるスライドもあり良かった。
- 3ヶ年計画のことを1年も話しあいをしたのだから、うちあわせの上、きちんと報告すべきであった。パワーポイントのプレゼンはわかりやすかった。
- 事業報告の前提として、ぜひネパールの政治の現状等を簡単でいいですから、分析報告を書いてほしい。
■ 事業計画(生活林プロジェクト、エコプロジェクト、ツアー、国内イベント)
- マスコミにバシバシ売り込んでいけばいいと思う。
- もう少し、イメージをふくらませるような展開にできればよかったと、少し反省しています。(理事として)
- マスコミをつかって宣伝するのは良いと思う。話もよく進んでいてよかった。
- 計画については、内容よりも、理事同士の事前のすりあわせがもっと必要でしたね。
- 現地プロジェクトは軌道に乗ってきた感じ(スタイルの確立)がします。
- 計画内容はもう少し時間をとって説明してほしかった。
- 特にアミナコレクション上原さんの理事参加により、何か変るかもという期待感があります。「One piece…」愛称はOPOT?(オーポット?)
- OPOT?に期待しています。
- 来年あたりMESに参加したいと考えています。
3. 全体を通して
- 会員ミーティングでは、みなさんの活発な意見が聞けてとてもよかったと思います。
- 会報誌についてひと言:会報誌についてのアンケートを行ってはいかがでしょうか?回収率をあげるために「抽選で○名様」プレゼントetc.企画すると良いかと思います。
- 本日はありがとうございました。
- 初めてだったんで話が難しくて、わかりづらかった。
- 50人位参加してほしいですね。会場が熱気に包まれる位。
- 昨年と今年の総会に参加したが、「One piece ~」というプロジェクトが実現したことを知り、前進が感じられた。しかし、会員が10名程度減っているという事実も知り、依然厳しい会の運営状況であることも分かった。
- 講演会と総会について:パワーポイントの資料を配布してほしい。議案書などと一緒に会員全員に送付した方が良いと思う。
- 会の中でも発言があった通り、会員総会の場で理事と監事が議論するのはおかしい(事前に議論を)。
- みんなで話す会なのに二人などで成り立つものが多かったので、事前に話し合っておけばよいのでは…?
- 議案の説明がさっぱりしすぎていた感があります。
- もう少し若い会員が(学生とか)増えるような対策ができていればいいと思いました。総会に来れていないだけですかね?
- 会員総会に出席している会員のうち、理事など役員以外の純粋な会員は何名いるのか。真の会員総会と言えるのか?会員が参加したくなる会員総会とは?
- もう少しわかりやすく総会も進行してくれるとよかった。新たな企画づくりにこの会をつかっていけば充実したものになるのではないかと思います。
- 発言が活発だなぁと思いました。事前会議が足りないと意見もありましたが、皆さん、IHC,ヒマラヤの事を本当に良くしたいと考えているんだなぁと感じました。
- 会報については、デザインなど雑誌などをみれば、みやすい構成って多少はわかるのではないかなぁと思いました。
- アットホームなフンイキでいいですね。
- 机席が十分なかった。ボランティアの方、ごくろうさまでした。とても良い総会でした。
- 会員ミーティングはみじかかったけどよかった。
- 懇親会大賛成です。