ヒマラヤ保全協会総会

 本年もヒマラヤ保全協会総会を開催しました。のべ33名の方々にご参加いただき、充実した会にすることができました。
本年は、会員総会プレイベントとして、講演会「ネパール 村人の暮らしと国際協力」(講師:清沢洋)、「サリジャ村の織物プロジェクト」(講師:遠藤昭一)を開催しました。
また、会員総会では、本年3月に終了した「植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)」(12年間で約70万本の植樹、約1500ヘクタールの面積の森林を再生)など、現地事業の成果につきましてくわしく報告しました。議案につきましては全会一致で承認されました。

懇親会では、冒頭に、講談「お竹如来」(江戸時代のリサイクルの話)をたのしみました。

【日 時】2008年7月5日(土)
     13:00 開場
     13:30~14:45 講演会(会員総会プレイベント)
     (1)「ネパール 村人の暮らしと国際協力」(講師:清沢洋)
     (2)「サリジャ村の織物プロジェクト」(講師:遠藤昭一)
     14:45~15:00 休憩
     15:00~17:00 会員総会
     17:30~19:30 懇親会
       *講談「お竹如来(リサイクルの話)」(講談師:神田織音)
【会 場】モンベルクラブ渋谷店(5F)「サロン」 > 渋谷駅・ハチ公口から徒歩8分
【会場提供】株式会社モンベル

プログラム

1.講演会(会員総会プレイベント:13:30~14:45)

     (1)「ネパール 村人の暮らしと国際協力」 講師:清沢洋(カルナリ協力会事務局長)
     (2)「サリジャ村の織物プロジェクト」 講師:遠藤昭一(ヒマラヤンマテリアル代表)

2.会員総会(15:00~17:00)

ネパール、森林が再生された事業地
植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)を終了

開会挨拶
■第1号議案:2007年度事業に関する事項(事業報告)
(1)ネパール現地事業
(2)国内事業
■第2号議案:2007年度決算に関する事項(決算報告)
■第3号議案:2008年度事業計画
(1)ネパール現地事業
(2)国内事業
■第4号議案:2008年度予算
閉会

3.懇親会(立食パーティ:17:30~19:30)

■講談「お竹如来」(リサイクルの話) 講談師:神田織音
懇親会の冒頭、講談をたのしみました。
講談師紹介:神田織音
 芸歴
 高校時代から芝居の勉強を始める。その後約十年芝居に携わる。
 平成11年4月 神田香織に入門 講談協会所属(芸名 神田おりね)
 平成11年9月 前座
 平成15年4月 二ツ目昇進(芸名 神田織音)

■会費:3,000円

事前に、総会によせられた会員からのコメント

  • 議案書よくできています。会報への広告掲載是非進めてください。会員をもっともっと増やしましょう。
  • どのような活動をし、どのような成果がこの1年で出たのかが分かりやすくまとまっていて読みやすかったです。個々の事業を達成することによって、ヒマラヤ保全協会がどのような大目標を目指しているのかを1年に1回確認するという意味で次回より総会議案書に記載していただけると幸いです。みんなが笑顔でいられるような活動を引き続きよろしくお願いします。
  • 植林プロジェクトが一部終了したとのことすばらしいと思います。私はエベレスト・トレッキング・コース中ではげ山を見てショックを受けたのですが、そちらの方の植林は考えておられないのでしょうか。
  • 遠隔地のため出席できません。世界の屋根ヒマラヤの自然を守る活動が拡がることを願っています。
  • ゴミ処理等の環境教育はネパール全土で必要だと思いますので、エコ・プロジェクト以外のプロジェクト地域でも多少なりとも啓蒙活動をすることを検討してはいかがでしょうか。スタッフへの負担は増しますので、やり方は要検討ですが。
  • 活動、資金面でもなかなか援助できませんが、ネパール現地事業を支持したいと思います。
  • 10年程前、IHCの紹介状を持ってACAPに行きました。原点を忘れずに、今後も支援を続けたいと思います。頑張ってください。
  • 教育支援が非常に大切だと思います。又、支援する側が学んだこともドンドン発表してください。
  • 会の成功を遠くから祈念しています。
  • 今年度も実り多い活動となりますよう祈念しております。
  • 意義なしですが、聞くところによると理事の中に、イベントが首都圏にかたまっているのはおかしいという意見もある様子。どういう真意でおっしゃっているのでしょうか? とにかく、共に頑張っていきましょう!!
  • 参加の機会がなく残念に思っています。
  • 貴協会の活動を全面的に支持しています。
  • 国内活動で、日本の山村の問題(限界集落や今度の地震災害のことなど)にも、アンテナを向け続けておくべきかとも思っています。具体的なことは、IHCのマンパワーや資金力から限界はありますが、少なくともヒマラヤでの経験を国内でも何らかのかたちで活かしていく必要を感じています。ひいてはそれが、会員を増やすことにもつながるのではないかと考えています。

今後開催してほしいイベント

  • 最近のネパール情勢について知りたい。
  • ネパールの時事問題に関する講演会など。
  • ヒマラヤの「平和」「人権」「政治」。
  • KJ法研修やKJ法実践。
  • エコハイキング。
  • なかなかイベントが関東中心になっていて参加が難しいです。

質疑応答

「IHC-N(ヒマラヤ保全協会ネパール)の活動状況について知りたいのですが」
「IHC-Nは大変よく機能しており、現在、会長1名(非常勤)、常勤スタッフ4名(事務局長1名、オフィサー1名、フィールドスタッフ1名、アシスタント1名)の体制です。東京事務局(事務局長1名、スタッフ1名、インターン1名)とつねに連携して仕事をすすめています。IHC-Nスタッフの声などは、日本人スタッフ・専門家がネパールに渡航した際に取材し、今後、随時紹介していきます」

「ネパール情勢について知りたいのですが」
「IHC「ネパール情勢につきましては、ヒマラヤ保全協会ホームページの『ネパール&ヒマラヤ・ニュース』にごく簡単ですが随時紹介していますのでご注目ください。また、同リンクサイトの左側『ネパール・ヒマラヤ -その他の有用情報-』には役立つサイトにリンクをはってありますので是非ご活用ください」

「72万本の植樹をおこなったそうですが、すべてが育ったわけではないので、活着率も考慮し、最終的にどのくらいの木が育ったかも発表した方がよいのではないでしょうか?」
「植えた木は大方のこっておりますが、正確なデータはもちあわせていませんので、今後、調査したいとおもいます」

「スローガンは、寄付金100円→樹木1本→CO2 0.75t→約2000円とするよりも、単純に100円がCO2削減2000円分になるとしたほうが分かりやすいのではないでしょうか?」
「IHC「1本0.75tのCO2という換算はあくまでも試算であり、今後さらに検討していきたいとおもいます」

「海外での植林の成果はどこの成果とみとめられるのでしょうか?」
「IHC「現在のところ、その取り決めはありません。ただし、日本の団体が途上国に植えたもののCO2削減効果などの環境効果を、日本の成果としてみとめてほしいという意見が強くなっきています」

「エコ・プロジェクトにおいて観光ルート美化とありますが、ヒマラヤ保全協会が観光開発をおこなうということなのでしょうか?」
「これはエコ・ツーリズムを推進するという意味です。観光というよりもエコ・ツーリズムという言葉をつかったほうがよいかもしれません」

「現金収入などもかんがえて、もう少し前向きな観光を考えてもよいのではないでしょうか?」
「そういったことも視野に入れてエコツアーなどを実施していきたいとおもいます。地元にツアーガイドを養成するといったこともかんがえられます」

「エコ・プロジェクトのゴミ集積場のゴミは、最終的にどのように処理されているのでしょうか?」
「ゴミ集積場に貯蔵されつづけます。焼却炉などのゴミ処理施設の建設などは現在のところできない状況です」

「現地活動評価事業が予算よりも増えているのはなぜですか?」
「IHC「ゴミ処理・観光ルート美化事業(エコプロジェクト)の助成金が予算よりも増額されたため事業費が増えました。また、円安ルピー高の影響もありました」

「国内イベントのネットでの広報状況をおしえてください」
「ヒマラヤ保全協会のウェブサイト、ブログ、メーリングリスト、mixi、その他の広報サイトでおこなっています。特に、ヒマラヤ保全協会のウェブサイトはかなり改善されていますので是非ご覧ください。また、メールマガジンも開始する予定です」

「会員に会報を2部送り、あらたな会員勧誘のために1部をつかってほしいとのことですが、会員をしていることと会員を勧誘する行動をするということはことなっており、そこに温度差があるとおもうのですが」
「IHC「次回の会報は、会員一人に、紹介用の1部を加えて2部送る予定ですが、これは、あくまでも、ヒマラヤに木をたくさん植えるためのキャンペーン『100円で1本の木が植えられます』の一環として、会員を増やす必要があるからおこなうものです。強制ではありませんが、趣旨をご理解いただきましてご協力をおねがいします」

「ヒマラヤ保全協会には、どんな企業がどの位サポートしてくれているのですか?」
「IHC「ヒマラヤ保全協会をサポートしている企業につきましては、ヒマラヤ保全協会のホームページの右下「私たちもヒマラヤ保全協会の活動を支援しています」にでています。また、同リンクのサイトの右上「ヒマラヤ保全協会・会員のサイト」には団体会員が紹介されています。サポート金額につきましては、1万円~約100万円となっています」

「生活林づくり第3フェーズと新規3ヵ年計画の関連がわかりにくかったです」
「生活林づくりプロジェクト(ナルチャン・サリジャ地域)」は2005年にはじまったプロジェクトで、昨年度第2フェーズを終了し、今年度第3フェーズを開始します。新規3ヵ年計画は、今年度中に計画を立案し、2009年度からあらたに開始します。新規3ヵ年計画は、基本的には、新プロジェクト地(ベガ地域)にて実施する予定です」

参加者の感想

  • 12年間の植林実績(723,718本)はすばらしいです。
  • 現地住民が主体になった活動はすばらしいです。
  • 植林をする前の40年前と、植林後の現在との比較写真がもっとも印象にのこりました。
  • 会費を、ヒマラヤの木の本数で換算するアイデアは大変よいです。会員と、自分の植えた木のつながりを感じられるもので面白い。将来は、自分の植えた木を見に行くツアーもできるでしょう。
  • エチオピアのNGOの例で、一本千円であなたの木をエチオピアに植えましょうというキャンペーンもあります。
  • エコ・ツーリズムとのつながりをもっと意識して活動をしたほうがよいです。
  • 社会貢献とCRM(Cause-Related-Marketing)は異なるということですが、私の関わっている団体には多くの企業が寄付をしてくれている。企業へあたっていけば道は開けていくとおもいます。
  • 会報を周囲の人に配るとき、これが1部100円の価値としたら、300円として売り200円は寄付だということにしたらいいのではないでしょうか。そのくらいの値段なら一年に数度程度周囲の人に頼めば買ってくれるのではないかとおもいます。
  • 人それぞれにできることをすればよいです。
  • 昨年のマハビールIHCN会長のマグサイサイ賞受賞は、IHCの活動の貢献も大きかったとおもいます。2007年度報告か2008年度計画にこのことが一文あってもよいのではないでしょうか。
  • 長谷川マリ子さんの言葉を引用したのは分かりやすく、会員の会の活動へのかかわりを分かりやすくする提案はすごくよかったです。
  • 昨日はとても楽しい総会と懇親会をありがとうございました。もう20年近く会員をされているかたでも、今年の会はすごかったと感嘆の声をあげていました。他の会に出てがっかりしていましたので、すごく嬉しかったです。先日の、ヒマラヤ写真教室(第25回ネパールサロン)以来の直感が正しかったのも、嬉しいのです。感謝。
  • みなさんにも、すごく好評で、かってない総会だったとおっしゃっている方もおられました。その方は,もう18年もこの協会に関わってきているようでした。
  • 前回のヒマラヤ写真教室から、何か違う雰囲気を感じ、今日を迎えていました。想像以上の会で、今後の私の方向性にとっても貴重な示唆をいっぱいもらいました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
  • 土曜日は、貴重な総会に出席させてくださり 有り難うございました。
  • 懇親会では 色々な方達とお話しする機会も出来て楽しかったです。

100円で1本の苗木が植えられます

 会員・支援者の皆様にご納入いただきます寄付金やヒマラヤ保全協会・年会費によりまして、100円につき1本の苗木をヒマラヤに植えることができます。是非、この機会に、ヒマラヤに苗木を植えてください。

振込先
■ 郵便振替 00100-0-709154 ヒマラヤ保全協会
■ みずほ銀行新宿南口支店 普通2005209 特非)ヒマラヤ保全協会
(A:10,000円, B:7,000円, C:5,000円のいずれかをご選択ください)

植樹の方法はこちらです