《第18回 ネパールサロン》(ビデオ上映)

 インド・ヒマラヤに位置する「小チベット」ラダック。大自然の中でゆたかにくらしていた人々を、近代化の大波がおそいます。本当の発展とは何か? 私たちは考え直さなければなりません。

 小チベットともよばれるラダックは、ヒマラヤ山脈の西部にあり、現在は、インド最北部のジャムー・カシミール州に属しています。標高約4000メートルの高地において、人々は、チベット仏教の伝統をまもりながら、自然と共生してゆたかにくらしていました。
 しかし、発展と称する「開発」の波がやってきました。郡庁のあるレーでは、道路ができ電気が通じ、近代化が一気にすすみます。それにともない、環境破壊や人心の荒廃、インフレ、非雇用などの諸問題も頻発します。何世紀にもわたってつづいてきた伝統社会や自然との共生はおびやかされています。
 開発あるいは発展とは本当は何を意味しているのでしょうか? このビデオは、ラダックについてのビデオであることを越え、世界の発展途上国における「開発」のあり方をかんがえさせ、私たちの未来について貴重な示唆をあたえてくれます。
 結局、伝統と近代化、あるいは人間と自然環境という、世の中の二つの側面の矛盾を乗りこえ、そこに調和をもたらさない限り、あかるい未来は見えてこないと言えるでしょう。

【日時】2007年5月19日(土)
【会場】ヒマラヤ保全協会事務所
【ビデオ】「発展とは何か -ラダックから学ぶこと-」
 英語オリジナル版制作:International Society for Ecology and Culture、
 日本語版作成:創造の広場

■ 当日、参加者から出された感想を図解にまとめました。