《第15回 ネパールサロン》-生活林づくりプロジェクト・現地活動報告-

今回の「トーク&トライ 国際協力セミナー」は、国際協力関係の文献を読みこなして知見を広げるとともに、参加者同士で意見交換をし、個人個人の国際協力に関する理解を深めるという企画でした。
 また、国際協力のネットワークを広げ、それに関わる人々の情報交換の場を提供することにより、よりよい社会に向けた基礎作りの一端を担うことを目的としました。

【日時】2007年1月20日(土)14:00~17:00
【場所】ヒマラヤ保全協会事務所

 広報不足や日程調整の不備のせいか、参加者3人でスタートした小さな勉強会でした。その分、お互いの聞きたいことが聞けた会だったと思います。
 内容は、本の題名にある通り、「開発援助か社会運動か」というところが争点になりました。NGOは政治的な問題までは踏み込めないのか、それではNGOの活動は本当に援助を必要としている人に援助が届いていないのではないか、そもそもNGOとは何なのか、などということについて、ヒマラヤ保全協会の事例も交えつつ議論しました。個人的にも、自らの将来の国際協力に対する関わり方を考えさせられるきっかけとなる、よい勉強会となりました。
 勉強会が終わってからは、元IAEA(国際原子力機関)職員のKさんより、国連職員とは何か、および、国際協力に対する関わり方についてお話があり、それについて話を交わしました。こちらもまた、新しい視点で国際協力を見ることができる機会になったと思います。(文責:ヒマラヤ保全協会インターン・竹内翔)

【文献】定松栄一著『開発援助か社会運動か ―現場から問い直すNGOの存在意義』,
    2002年,コモンズ

<論旨> 日本赤十字社とシャプラニール、という異なる立場で働いた経験のある著者が自分の経験を振り返りながら、「援助を必要とする人々に本当に屈いているのか」「政治の問題を避けていないか」などといった観点から、開発協力のあり方について考えている。彼の視点から見た、NGOの存在意義とは何であるのか。あらためて自分たち自身が「NGOとは何のためにあるのか」について考えることのできる文献である。