1.義援金のご報告

義援金集計_150721

4月25日、5月12日発生したネパール大地震対応の 緊急義援金を大変多数の方にお寄せ頂きましたことを 厚く御礼申し上げます。 大地震発生から3ヶ月になり、日本での報道も少なく なっている状況ですが、今後長期的な支援が必要と なって参ります。 ここに、ヒマラヤ保全協会にお届け頂いた 義援金の使途と計画中の復興支援についてのご案内を いたします。

皆様より頂いた義援金の総額は

3,307,395円(2015年7月21日現在)

となりました。

Prasit_rn2015evはじめに、医師、薬剤師、ボランティア2300名で、山岳地帯での 調査、救援を行っている現地活動グループ Rescue Nepalese ‘2015 Earthquake Victim’と連携して、 約45万円を薬品、食品、毛布の救援物資の購入のために使用させて頂きました。支援を届けた場所は、Gorkha(ゴルカ), Dhading(ダーディン), Sindhupalchok(シンドゥパルチョーク), Dolakha(ドラカ)の地区です。
ネパール地図(背景色なし)

2.ドラカについて

ドラカ①
ドラカ県は、ネパール北部山岳地帯でネパールを襲った
2回目の大地震(5月12日)の震源地付近に位置しております。
(上図参照)1回目の地震では大きな被害はなかったものの、2回目の地震により土砂崩れが起こり、多数の建物や人的被害がでました。しかしながら、1回目の地震で被害が大きくなかったため、1回目の大地震の被災地を中心に入った国際援助が行き届いていない現状がありました。

ドラカ②
一方、ネパール政府より発表された復興事業予算は6600億円と推定され、そのうち15%〜20%が木材として消費される(推定で約1000億円)と考えられます。
ネパールの森林保有率は国土の25%であるため、ネパールの4倍以上の国土を持つ日本の森林保有率が70%であることを比較すると、数少ない木々が建築資材等の木材として
切り倒されることが想定されます。

ネパール復興支援土砂崩れによりたくさんの木々が流された状況に加え、資材として木が過剰に伐採されれば、さらなる土砂崩れが起き
2次災害のおそれもあります。
土砂崩れが起こったエリアは、木々がなぎ倒され景観を失い、
なおかつその土砂の下には多数の方が死者が土砂の中で
眠っている状態で、景観としても心理的にもケアが
必要な状況になっています。

 

ネパール日本比較

3.今後の復興支援

苗畑_2
現地から、「土砂崩れで木が流れ景観が変わってしまった」

「木を夜のうちに伐採する物がでてきている」「お金や物資を与え続けることが習慣となっていく」との声を聞き、景観の再生や自立を助ける「技術」や「知識」が必要とされている状況となっております。

ヒマラヤ保全協会では、今まで培って来た「技術」や「知識」を活かし、村人たちよる森林保全を通して、土砂崩れで失った景観の再生・森林の再生を協力を行います。

みなさまから頂いた義援金の残りは、復興支援として
ドラカ県にて苗畑をつくる初期費用としてネパールに送ります。

ドラカ県の2、3村の村を支援予定です。

①苗畑小屋 1村1小屋… 60万
芽がでた苗は、直射日光に弱いため1年間苗畑小屋で育てます。

②苗畑管理費 1村…50万円
苗畑小屋で育てた苗を苗床に移し、50センチくらいの高さになるまで
育てます。その後、村総出で植樹をしに行きます。

○苗畑管理費
○苗畑管理人費
○資材購入費
(参考:1村で使う資材)
・ポリエチレンパック(ポリポット)… 10,000円(芽がでた赤ちゃんの苗を1年間苗畑小屋で育てるためにいれるパック)
・ポリエチレンシート… 3,600円
・表土(土壌)収集費用… 20,000円(トップソイル:苗を育てる際に必要な土。微生物がたくさん含まれる。村周辺でこの土を探しあてるのに必要な費用)
・種および苗… 6,300円(手に入れられなかった場合:基本的には近くの森より採れた種より育てます)
・研修費… 2,000円
・工具… 20,000円
・苗畑資材の輸送費… 10,000円(村(苗畑)と植林地帯が遠い場合の輸送費)
・植林地の囲いフェンス建築費… 62,400円(動物達に、植樹した木々が食べられないように設置します)

 

 

 

収入向上今後、村人との話し合いを重ねて、村別に必要な資材や費用等を検討して行きます。

また、ダウラギリエリアで行った「収入向上」事業を行うことにより自分たちで植えた森林資源から素材を切り出し、製品をつくり、現金収入を得る地場産業を起こす支援も視野に入れて、活動をしております。
こうすることで、支援を受ける事なく、村が自立して持続可能な山村の暮らしを続けられることを支援して参ります。

現在、ダウラギリエリアでは、植林事業を通して山に緑が戻り収入向上事業でも大きな成果を挙げている地域があります。
緑が戻った山をみた村人より「村への誇りがもどった」という声を聞いています。

5月11日に行われた地震情報共有会では、東日本大震災後の釜石市復興活動をされている方に講演頂き、震災後の支援や復興についてのお話いただきました。
「復興=町の誇りを取り戻す」とお話され、現在,町の人たちが町の魅力を紹介しあう素晴らしい活動を続けられています。

ヒマラヤ保全協会の今までの活動や地震後に繋がった新たな繋がりから、震災で土砂崩れが起こった土地に対して村人による森林保全活動を行うことは、なくなってしまった森林や自然の景観を取り戻すと共に、そこに住村人達の復興そして誇りを取り戻すとが十分に期待できます。

今後のプロジェクトの計画進行・実行に関しては、随時報告して参りますので、今後とも皆様より温かい応援・ご支援・ご指導をお待ちしております。

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