世界の屋根,ヒマラヤのふもとで
世界の屋根ヒマラヤのふもとで

山岳エコロジースクールは、世界の屋根・ヒマラヤのふもとで開催します。写真は、景勝地プンヒル(標高3210m)からダウラギリ山群をのぞんでいるところです。プンヒルには、サリジャ村へむかうトレッキング中にたちよりました。

ヒマラヤ・トレッキング と ネパール山村のホームステイ

– テーマ「 山の暮らしから学ぶエコロジー」-

【日程】2007年12月21日(金)~2008年1月4日(金)
【場所】ネパール西部、アンナプルナ南麓~パルバット郡サリジャ村


ヒマラヤ・トレッキング
トレッキングの合間のランチは格別!

ネパール西部のアンナプルナ南麓をトレッキングし、ガイドブックにはでていない、ヒマラヤ保全協会の事業地、地元の人たちが歩く道に入りこみました。トレッキング中に食べる野外でのランチは格別です。

「山の暮らしから学ぶエコロジー」
~山岳エコロジースクールってなに?~

【感動体験を実現】
 世界の屋根ヒマラヤをトレッキングして大自然を体感します。その美しくもダイナミックな峰々の雄姿は、皆様ひとりひとりの感動体験を実現します。

【村人と出会う】
 ヒマラヤのふもと、ネパールののどかな山村でホームステイをし、心やさしい村人たちと生活しながら交流します。ヒマラヤで暮らす人々との出会いは、生涯わすれられない思い出になるでしょう。

【村人と共に植樹】
 ヒマラヤ保全協会の森林保全プロジェクトに参加、村人とともに植樹をします。自然の中で暮らすための知恵や技術をまなび、環境保全と国際協力について考えます。私たち日本人の暮らしを問い直すことができるでしょう。

【村人と共に考える】
 近代化と人口増加の影響で、環境が破壊され、伝統文化が衰退、本来は豊かであったヒマラヤの人々の暮らしは危機的状況になっています。村人たちが直面する問題に触れ、同じ地球人として私たちに何ができるか、共に考えます。

【専門家のレクチャーつき】
 ヒマラヤの大自然を長年研究している環境科学の専門家が、ネパール・ヒマラヤの自然環境と自然史ならびに環境問題への取り組みをわかりやすく解説します。

ヒマラヤの自然環境とヒマラヤ保全協会のツアーについてはこちらです

★誰でも参加できますか?
 ヒマラヤやネパールが好きな方、トレッキング・ファン、環境保全や国際協力、NGOに興味のある方、みんな大歓迎です。今までに、17歳から60代のベテランまでのべ235名が参加しています。

参加者の感想

「出会い、心が通じ合う喜びを実感できた旅」

出会い
現地の人々と交流する

私が今回のスタディツアーで得た最も大きな収穫、それは「出会い、心が通じ合う喜びを実感できた」ことだ。2週間という長そうで短い期間に、私は多くの人々と出会い、楽しい時間を共有することができた。ウレリやゴレパニのゲストハウスの女の子たち、イギリス人旅行者とそのポーターさん、私たちのポーターをしてくれたベンさん、IHCネパールのチットラさん、サリジャ村の皆さん、挙げるとキリがない。彼らとは言葉を通じたコミュニケーションは情けないことにほとんど取れなかった。だが、不思議と彼らが伝えようとしていることは伝わってきたし、私の伝えようとしていることも伝わっていた。
 言葉というものは意思疎通のためのツールの1つでしかない。当然言葉を通して、もっとたくさんの情報を共有し合うことが出来たならば、もっと充実した旅になっただろう。だが、言葉以外のツール、例えばスポーツや酒、ジェスチャーや表情をフル活用すれば、お互いに楽しい時間は共有できるし、心は通じ合うのだ。スポーツに関して言うと、1つのボールをみんなで泥だらけになりながら追いかけていると、一緒に笑い、「楽しい」を共有できるのだ。国籍や人種、民族などの小さい枠を飛び越えて通じ合える、その友情の輪の中に私が存在できた。本当にいい経験だったと思うし、ネパールで得た最も大きな喜びだった。
 言葉を超えて、心が通じ合えたと思えた体験を数多く出来たこの旅は、私にとってかけがえのない経験となったことは間違いない。この経験を日本に帰って生かすも殺すも自分次第。自分の中でもっと大きなものに育てていきたい。(学生)


「関心」が地球を救う

植林
植林ボランティアとして参加

 人は、一人で生きることはできない。人と人が交じり合う他、人は自然と共に生きている。いや、自然によって生かされているといってもよい。だが、人は自然と共に歩んでいく関係であるにもかかわらず、自然を破壊し、温暖化現象を肌に感じとれる程、甚大な環境破壊をもたらしている。将来、自然・人が存在し続けることも危ぶまれている。 そこで、こうした状況から抜け出そうと、ちっぽけな私は一人、何とかしようと試みる。もちろん、何もできない。だが、何もできないと諦め、無関心でいることだけは避けたい。環境問題に無関心でいることが、最も環境破壊であると考えるからだ。では、何から始めるべきであろうか。行動すると何かを見出せるに違いない。そこで、私は、先ず、現状を知るべきであると考え、第14回エコロジースクールに参加した。
 ネパールは、「ただ、ヒマラヤ山脈がある国」という印象を持っていた。だが、実際訪れてみると、これまでのイメージが覆された。ネパールは、実におもしろい国であるのだ。多種民族が存在するにもかかわらず、紛争をおこさず、民族が各々の文化を持って生活しているのだ。標高によって住み分け、食べ物、調理道具、味まで見事に異なる。また、標高800m~8000mまでの多様な気候が存在する為、動植物の種類が豊富である他、人間をの暮らしも多様であるのだ。カトマンドゥ盆地を除いて、文化は決して混ざることはなく、他国の人々にとっては、自然の原理、動植物の暮らし、自然環境について考える参考資料となる。また、多種民族が暮らす参考資料:ネパールは、民族の交わりからおこる紛争をはじめとした国際政治の問題を考える上でも参考となる。ネパールの主産業は観光業となっている程、おもしろい国、ネパールを実際に感じてみようと考える人は多い。重要な外貨獲得手段であり、かつては、取得外貨の20%を占めていた程、世界中から多くの観光客が訪れている。
 だが、ネパールに足を踏み入れてみると、魅力ある自然・文化の他、大量のゴミの景色にも直面する。道・川など視界に入る全ての場が、ゴミで溢れているのだ。ゴミ処理施設がない所に、ビニル製品の物が輸入されている為、ゴミの景色は一層ひどいものになるであろう。保健・衛生問題だけではない。ヒマラヤでは、地球温暖化の影響で決壊による洪水の危険性高まっている。人口増加により田畑開拓・森林伐採が行われる為、土砂災害を招き、毎年200人死亡している。貨幣経済が浸透し、子供の学費を稼ぐ必要がある為、移動に多大な時間を要する山岳民族の暮らしは一層貧困が増しているという。また、保健医療の質が悪く、女性が男性より平均寿命が短い世界唯一の国でもある。こうした多大な問題を抱えるネパールは徐々に悪い方向へと変化し続けている。悪化し続けると、観光業にも影響を与え、ネパールは一層貧困がすすむに違いない。
 このような状況をこのまま放っておいてよいものか。貧困が増すだけでない。自然破壊が進行すると、ヒマラヤの氷河湖が決壊し、下流地域に住む人々の生命を奪う。ネパールだけでなく、アジア全域、世界各地で人間が住めなくなる地域が増えるのだ。世界がこうした状況であるにもかかわらず、私たちは、水や電気、割り箸やビニール袋を大量に消費している。なぜ、人は、環境保護に積極的に取り組まないのか。

ヒマラヤ
トレッキング中に見たダウラギリ山

 今回、ネパールを旅し、周囲に旅の内容を報告することで気付いたことがある。それは、多くの人がネパールのことを知らないということだ。「ネパールってどこ?アフリカ?」「寒い地域なんかあるの?暑いところだと思ってた」「何を食べるの?カレーを食べるの?」ネパールを全く知らない。「インドの上に位置すること」、「ヒマラヤ山脈があること」さえ知らないのであれば、「ゴミが溢れて保健衛生であること」、「土壌開拓の為、木が伐採され、土砂災害を招いていること」、「氷河が解け、水害被害の危機であること」は全く知られていないだろう。現状を知らないから、危機感を感じることができず、水、電気、割り箸やビニル袋を大量消費していると考える。無関心こそ恐ろしいものはない。無関心は、自然破壊を招くのである。現在、社会が「エコ」と叫び、環境保護活動が少し見受けられる程度であり、実際に、環境破壊の現状を知らなければ、危機感を持って、環境保護活動に取り組むことはないであろう。先ずは、関心を持つことが、地球環境を救う最大の手段といえる。
 環境保護の為に、今、私にできることは何であろうか。先ずは、多くの方々にネパールを知ってもらいたい。ネパールに興味を持つことは、環境保護につながる。また、ネパールへの興味から実際に旅し、それがネパールの観光収入にもなる。興味・関心を持つということは、環境保護や貧困化の食い止めにつながるのだ。
 実際、私は、ネパールを訪れる前と後では意識が違うように感じる。これまで、新聞やテレビをみても気付くことのなかったヒマラヤ情報を気にするようになったのである。「ヒマラヤ温暖化 水力発電の限界」「ヒマラヤ 氷河湖決壊を早期警報。危険水位を携帯に配信」など。関心を抱くことでヒマラヤ情報を多く目にすると、温暖化への意識からであろうか、環境破壊に危機感を自然と感じるようになった。「節電・節水」、「エコバック・マイ箸の利用」、「服を着重ねすることにより、暖房を利用しない」などの身近なことから取り組むようになった。

現地の人々とともに
サリジャ村の人々とともに

 環境破壊を食い止めるには、多くの人が関心を持ち、現状を把握する必要がある。今、私にできることは何か。多くの人に関心を持ってもらえるよう、環境破壊、自然の素晴らしさ、ネパールの良さを語っていくことだと思う。多くの人が関心を持つことで、地球の現状を把握し、人間と自然がともに歩める社会をつくっていきたい。(医師)

過去の参加者の声

◎「ネパール山村の村人全員が大歓迎してくれたのに驚きました」
◎「ホームステイ先の家族とすぐに仲良くなれました」
◎「言葉がわからなくても会話ができました」
◎「ヒマラヤの山々がとてもすばらしかったです」
◎「植林活動を村の人達と一緒にできてよかったです」
◎「ほかのツアーに比べて、日程の割に低料金」

サリジャ村
サリジャ村

ここは、今回ホームステイするサリジャ村です。心やさしい人々がのんびりと暮らしています。集落の周囲では森林の後退がすすんでいます。
サリジャ村の子供たち
サリジャ村の子供たち

サリジャ村の子供たちは元気がよいです。貧しくともたくましく生きる子供たちにも出会うことができます。

<私も参加しました!>

「参加の理由はただ一つ。『なんだかおもしろそう!』だけ。でも得たものはとても大きかった。人とのふれあい、ネパールという国、環境と開発、そして日本、自分。ふとした決断が私の世界を広げ、その後の進路を大きく決めました」(20代女性・第1回、第2回参加)。
「山岳エコロジースクールそのものでの体験ももちろん貴重な体験でしたが、山岳エコロジースクールに参加して、いろんな職種・年代の方々のお話を聞くことができたことも貴重な時間となりました」(20代女性・第8回参加)。
「最後には『私達は今後どう生きるのか』という真剣な自己への問いかけを得ることになりました」(40代男性・第4回参加)。
言語による交流でなく、心による交流ができたと思う」(50代女性・第9回参加)。

 ◆ その他の参加者の声はこちらです

<おすすめします>

川喜田二郎(ヒマラヤ保全協会名誉会長・東京工業大学名誉教授・KJ法創始者)
「自分のこの足、この手、この目で、ヒマラヤの山河に触れる。その山村の人たちと交わる。そこから与えられ、学ぶと共に、何かを寄与する。こんなすばらしい苗育てに、皆様を仲間としてお迎えすることは大変な喜びです」

サリジャ村の苗畑
苗木をそだてて植樹をする

ヒマラヤ保全協会の森林保全・環境保全事業の現場を見学します。ヒマラヤ保全協会は、今回の開催地・サリジャ村で2005年より苗畑整備をつづけています。ここでそだった苗木を周辺の植林地に植えます。人物は苗畑管理人です。
共に植樹
ヒマラヤ保全協会スタッフと共に植樹をする

山岳エコロジースクールでは、参加者が、ヒマラヤ保全協会スタッフや村人たちと協力して苗木の植樹をおこないました。苗木が大きくなるのがたのしみです。

山岳エコロジースクール よくある質問

Q1 ホームステイする村では、どんなことをするのですか?

A 村の皆さんと似たような生活をして、ネパールの家庭料理を食べ、気楽に交流します。滞在中は、ヒマラヤ保全協会の事業地見学、植樹、村内見学、地元の学校訪問などを予定しています。また、ツアー参加者の希望もとりいれて、村人との交流イベントもおこないます。このようなことを通して、楽しみながら、ネパールやヒマラヤについてよく知っていただくことができます。

Q2 冬のネパールの気候はどんな感じですか、服装はどうすれば良いですか?

A ネパールの冬は乾季ですので雨はめったに降りません。朝晩は冷え込みますが、日中は暖かくとてもすごしやすいです。日本の関東あたりの冬の服装があれば十分です。ただしスリーピングバック(寝袋)は用意してください。

Q3 一人でも参加できますか? 参加者層はどんな方々ですか?

A お一人でも参加できます。大多数の方はお一人で参加されています。高校生、大学生、社会人、主婦など多彩な方々が参加しています。中でも20〜30代の女性や退職後の熟年層が元気です。ぜひ、違う世代や仕事以外の友人をつくるチャンスにしてください! また、毎回半数近くが首都圏以外からの参加者(北海道から九州まで)です。今回も、全国各地からの参加者お待ちしております!

Q4 ホームステイ中、日本語しかしゃべれないので不安なのですが・・・。

A ヒマラヤ保全協会のスタッフが同行し、通訳をしますので安心してください。家庭では、カタコト英語やネパール語が中心になります。ぜひ異文化交流にチャレンジし、思い出のウルルン体験をしてください。もちろん、困った時はすぐにスタッフを頼ってください。ヒマラヤ保全協会事務所では事前にネパール語入門講座をおこないます。

Q5 村での生活環境はどんな具合でしょう?

A ネパール人は概して歌や踊りが好きで、人なつっこい人々といわれています。多くの人々は農業を営んでいます。素朴で親切な村人のもてなしが、きっと最高の思い出になることでしょう。水道はある程度ありますが、量も質もまったく不十分です。お風呂は水浴びか行水、トイレは別棟になることもあります。

Q6 予防接種は必要ですか? 健康管理の注意はありますか?

A 法的には必要ありませんが、体調を整えての参加をお願いします。健康管理は、各自一人一人の心構えが基本ですが、当会スタッフのアドバイスにしたがってください。生水は絶対に飲まないで、ミネラルウォーターか沸騰させたお湯を飲んでください。生野菜も食べないでください。

Q7 ホストファミリーにお土産は必要ですか?

A ホームステイ先には、食費などの必要経費はヒマラヤ保全協会から支払ってありますので、特別には必要ありません。ただし、気持を伝えるために、簡単なプレゼントをすると喜ばれるでしょう。その際は経済的な価値のあるもの(カメラ、時計など)は避け、日本文化を伝える絵はがき、お菓子、お餅、みそ汁などがよいでしょう。家族・友人の写真などを見せるのもよいでしょう。

Q8 ツアー中、お金はどのくらい必要ですか?

A 日程表に記されている回数の食事は参加費に含まれています。これ以外の食事と、飲み物は各自負担になります。ネパールの物価は安いので、観光地で食事をしても日本の1/4~1/2程度で十分間に合います。日本へのおみやげも手工芸品などは手頃な値段です。その他、旅行条件に載っている空港税やビザ代などが若干かかりますので、各自ご確認ください。

Q9 ツアー前後、ネパールに滞在できますか?

A 団体行動が原則ですが、ツアー終了後に限ってご相談に応じます。滞在延長に関わる経費負担や、万一の際の責任の所在は参加者個人に属しますので、あらかじめご了解ください。飛行機の予約などご希望に添えない場合がありますので、お早めにご連絡ください。

Q10 ネパールの治安はどうですか?

A 現在、ネパールの情勢はとても安定し、治安はかなりよいです。夜おそく出歩かないなど、基本的なことをまもっていればまったく問題はありません。ご安心ください。

・渡航先の衛生状況については、厚生労働省「検疫感染症情報ホームページ」でもご確認ください。
・渡航先(国又は地域)によっては、外務省「海外危険情報」等、国、地域の渡航に関する情報が出されている場合があります。お申し込みの際に販売店より「海外危険情報に関する書面」をお渡しします。また、「外務省海外安全ホームページ」でもご確認ください。